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水の中で④ 絵里Ver

水の中で① 絵里Verを読む
水の中で① 一哉Verを読む
水の中で② 絵里Verを読む
水の中で② 一哉Verを読む
水の中で③ 絵里Verを読む
水の中で③ 一哉Verを読む


2005年 8月27日
PM20:48

私は知らないうちにカノンを口ずさんでいた。
隣りの助手席には一哉が乗っている。
昨日の深夜に初めて出会ったのに、まるで昔から知っているような感じだ。
一哉の方を見ると、一哉も私の鼻歌のリズムに合わせて指でリズムを取っていた。

絵里「さて、何食べようか~?」
一哉「な・・・」
絵里「何でも良いは無しだよ~!」
絶対一哉はそう言うと思ったので先に釘を指した。
一哉は考えてる・・・
一哉「う~ん食べたいのいっぱいあるんだよな~」
絵里「あ、じゃぁバイキング行こうか?」
絵里(しまった!決めてしまった!)
一哉「うん、じゃぁそこにしよ」
一哉は満足そうだ、憎らしい。

食べ放題のバイキングには20分ほどでついた。
席に着くと早速二人で手分けして選んだ。
一発目のお皿に私がケーキを満杯にもって来たのを見て、
一哉は少し呆れていた。

流石に成長期の男の子。肉にばかり噛り付いていた。
私は頃合を見計らった。
一哉は気を使っているのだろうか?
一切涙の理由を聞いてこない。
さっきの教室の涙の訳を全てでなくても話すべきだと思った。
いや、きっと聞いてもらいたかったのだと思う。
不思議だった。

一番心を許せる妹にですら〔よくある夫の浮気〕
で片付けて深く話さなかった私が、昨日出会った男。
しかも14歳の中学生にその事を聞いて欲しいと思っている。
私は弱っているからだろうか?

一哉「どうしたの?」
私はハッとした。
フォークでケーキをカットし、口に入れる直前で動きが停止していた。
確かに、どうしたもこうしたもない状態だった。
私は女の癖に同時に複数の事が出来ない・・・

絵里「あ、あのさっきは突然泣き出してごめんね。びっくりしたでしょう?」
一哉「うん。」
絵里(やっぱり一哉は気を使ってくれてる。)
絵里「私が見ていた絵あるでしょ?」
一哉「父親というタイトルのやつだっけ?」
絵里「そう、あれ私が書いたの。完全に私の想像のお父さん」
絵里「だけどね、泣いちゃった理由は別に想像の想像のお父さんだからじゃないんだ」
一哉は黙ってこちらを真っ直ぐ見て話しを聞いてくれている。
絵里「その絵の事はずっと忘れていたんだけど、見たらある人に似すぎていたの。」
一哉「ある人?」
絵里「うん。私の旦那。」
一哉「え??結婚していたんだ!」
そういえば一哉には話してなかったかもしれない。
話す必要の無い相手だ。でも今は全部聞いてもらいたい。
絵里「うん、6年前にね。今は別居中なの」
一哉が私の左手の薬指を見ている。
絵里「あぁ、指輪は彼が浮気してから着けてないんだ。」
一哉「そうだったんだ・・・」
絵里「それでね・・・」
私は今更躊躇した。
何を話しているのだろう。
中学生に。
なんだか自分自身に呆れてきた。
一哉「もし話してくれるなら聞きたい」
きっと私が躊躇しているのを察してくれてのだろう。
一哉の言葉が私を楽にしてくれた。
絵里「ありがとう」

私は全ての経緯を話した。
彼との出会い。
彫刻の事。
事故の事。
彼の浮気。
そして、私が彼を愛していなかったかもしれないという事を。
全てを話したつもりだ。

気が付いたら、お互い全く料理に手をつけてなかった。
絵里「あ、ゴメンゴメン!食べよ♪食え、食え♪」
お互い食事を再開した。
それから一哉は無口だった。
私は一方的に話したが一哉はあまり乗ってこない。
気まずかった。
話さなければよかったと思った・・・・


一哉「絵里さ・・・まだ時間平気?」
一哉は急に口を開きこういった。
勿論時間は持て余すほどある。
絵里「ん?平気だよ~、ていうか一哉は大丈夫なの?もう10時過ぎてるよ?」
一哉「うん、うちは大丈夫!」
絵里「へっへ~じゃぁ何処行こうか~」
私はその意外な申し出が嬉しかった。
一哉「小学校のプール」
絵里「え?」
意外な申し出は本当に意外な内容だった。



2005年 8月27日
PM22:28


私は裏門に車を停めた。
ここからプールへの道のりは随分慣れた。
昨日の事を考えると、一哉には申し訳ないが不思議と笑みがこぼれた。

プールサイドに着くと熱帯夜の中、ここだけ草原のような風が吹いていた。
絵里「キモチーね~水着持って来れば良かったな~」
私はプールサイドを歩きながら一哉に話しかけた。
一哉「そうだね、流石にお互い裸はね・・・」
いたずら心が芽生えた。
絵里「見たい?・・・・」
上目使いで、ぶりっこしながら言ってみた。
一哉の目がまん丸で口が半開きで停止していた。
絵里「うっそ~~ん♪」
一哉はムクレテいた。
絵里「へっへっへ~、ごめんね♪見せたら不倫になっちゃうもん♪」
絵里(不倫か・・ちょっと自分のいった言葉に重くなった。)
一哉は私の横で一緒にプールサイドを歩いた。

一哉「あのさ、絵里はこれからどうするの?」
私の思考と体が止まった。
〔俺達どうする?〕
頭によぎった。
絵里「どうする?ってどれのこと?」
一哉「旦那さんの事。」
多分そうだろうと思った。
絵里「解らないよ・・」
一哉「解らないの?」
絵里「解らないよ!だって・・・・」
私は取り乱してた。この問題から逃げたかった。
触れなくてもいいのなら、一生触れたくない。
でもそうは行かないのも解っていた。
でも一哉にこれ以上情けない自分も見られたくなかった。
絵里「一哉にはまだ解らないよ・・・」
一哉「解らないよ、でも絵里にはわかっているから悲しいんでしょ?」
絵里「簡単に言わないでよ!あんなに私の為に尽くしてくれた人を、
今更愛してなかったなんて認められないよ!」
一哉「でも、え・・・・」
絵里「もう知ったような事いわないで!」
絵里(私最低だ・・)
一哉「だったら今から愛せばいいじゃんか!」
一哉「優しくされたその時に愛してたとか、愛されてたとかわかんねーよ。」
一哉「でも、もうその時自分がどうなのか解らないんだろ?今どんなにその時を思いだしたって解

らないんだろ?!」
一哉「もう、今の絵里は旦那さんを昨日の絵里のように思えないんでしょ?」
一哉「だったら今の絵里で旦那さんがしてくれた事・思ってくれていた事をもう一度愛せればいい

んだよ。きっと・・」
一哉「だから・・・これからは必死に探すの辞めて、もっとゆっくり思い返そうよ・・」

私は驚愕した。
温厚な一哉が声を荒げたのもあるが、
「・・・もう一度愛せればいい・・・」
「・・・これからは必死に探すの辞めて、もっとゆっくり思い返そうよ・・」
この言葉が、
〔俺達どうする〕の呪いを解いた。
そうだ、焦らなくていいんだ。今の私で感じればいいんだ・・・
心が晴れた。
14歳の少年の叫びが暗雲を払った。
涙が溢れた。その涙がその瞬間は意味が解らなかった。
でも今は解る。
安堵の涙だ。
私は目の前にいる、昨日出会ったばかりの14歳の少年に、
涙が溢れるほどの安心感を与えてもらった。

でも、このまま涙を流すのは少し気恥ずかしい。
絵里「そっか・・今からか・・」
絵里「私何焦ってたんだろうね♪」
絵里「そうだよね~知っちゃったんだから、その時どうなのかって考えても解らないよね・・・」
私は必死に涙をこぼさぬように頑張って話した。
瞬きしたら今にもこぼれてしまう。
私は一哉に近づき、抱きしめた。
何故抱きしめたかは解らないが、それは必然のように体がそう動いた。
絵里「ありがとう・・・」
心からそう思った。
一哉の腕が私の背中にまわる。その手は羽毛のように優しく感じた。
とうとう涙がこぼれ落ちた。

続く
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非公開コメント

No title

うん!絵里良かったね☆
一見簡単なようで自分じゃ見つけられない事だと思うから
だから一哉のような存在が必要なのかもしれないね。

絵里達はさてさてどうなるのでしょうか,,,?^^v

>>サユ

サユいつも両方にコメントくれてありがと~;。;

音楽流せるようにしたんだけど、
ピアノ音源の使えるカノンがみつからんねん;;

イイかんじ

呪いが解けた・・・。良い響きですね。
両方の立場から見て、矛盾もなくすんなり感情移入できます^^

次回どうなるんでしょう・・?
とても楽しみです。ありがとございましたw

>>johonkosuさん

ぶっちゃけ今回はいつもの半分の量ですw

当初4回で終わらそうと思っていたのですが、5回・・場合によっては6回に・・・
ボリュームが上がっている訳ではありません、なんとなくですw

いつもコメントありがとうございます^-^

No title

うんうん。
わかるよ~。そうなんですよ~。
安心させてもらえると先が見えたりするんですよ~。
がんばれるんですわ~。

一哉も自分の問題解決せにゃねっ。

音楽(・ω・)bグッ
カノンひさかたぶりに聞きました。

>>カラバシュさん

コメントありんす^-^

書いている本人が言うのもなんですが、
一哉君中学生離れしてきてます。

カノンの音源探しで時間食いましたw
本当はピアノ音源がいいのですが、
やってやれないことないのですが・・・
大人の事情が邪魔をする・・・・

No title

こばむ~にゃ。

もー、心が洗われましたがな。
今ね、痴漢記事を鼻息荒く書いてて、男のバカ野郎!とか思って、ちょっと涙でたりしてたけど、心洗われたよ。。。

やっぱ、、、

男好きだわ!(え?)

なんかさぁ、一哉のさぁ、なんだろなぁ、これが女の子じゃダメなのよ。男だから担える役なのよ。
微妙かつ絶妙で良いよ!
これがメロメロメロリンQなビーチサイトラブストーリーだったら、ちょっともじゃぽのこと冷めたかも。

いやぁ!いいよ!いい!

続きに期待。
もー安心しながら期待。
激しく期待!PP☆彡


>>ひろぽ

辛かったな、ひろぽ。
ちょっと持ち直せた?

もじゃぽに残された、残り少ないピュアっ子な部分で書いてみたぜ!

しかし、とにかくだ、
ひろぽが男がまた好きになってよかった!
うん!やっぱひろぽは男が好きでなきゃ!
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