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水の中で① 絵里Ver


2005年 8月25日
PM22:12

東京都西部に雷注意報が発令される。

東京都の最西の市、八王子市。
その中でも西の方に存在する朝倉町の外れにある一軒家が私の実家だ。
その時私は、妹の部屋のPCに向かいブログの更新をしていた。

言ってみれば私は出戻り状態だ、
夫とは別居中である。
きっかけはよくある夫の浮気だ。
それ以上の事は考えたくない。
だから私は自分や周囲に聞かれると、
〔よくある夫の浮気〕で説明をつける。

若い女の声「お姉ちゃ~ん、雷警報だって~。」

部屋の外から話すのは、彼女は私の5つ下の妹だ。
昔から私を慕ってくれている。
私も昔から愛して止まない、友人のような妹だ。
今年美大を卒業する。

私「えぇぇぇぇぇ!!!パソコン、コンセント抜いた方がいい?」
妹「お姉ちゃ~ん」
笑いながら部屋に入ってこようとしている。
妹「ブレーカがついているからだい・・・・」
妹が話し終わらないうちに、世界が白くなる。
そのほとんど同時に爆音が響き渡り世界が暗闇に包まれた。
妹のかん高い悲鳴が聞こえた。
私はびっくりしすぎて声も出なかった。
数秒後に
女性の声「貴方達大丈夫?」
下の階から大声で安否を確認する声が聞こえる。
声の主は母親だ。

母親は、音大を卒業し当時付き合っていた彼氏の子供。
つまり私を妊娠し、入籍せずシングルマザーとして私を育てあげた。
妹とは異父兄弟だが、お互い自分の父親を知らない。
母の実家が経済的に裕福であるため、音楽教室を開いた。
今では都内に8校あり、何もしなくてもそれなりに遊んで暮らせるお金は入ってくるらしいが、趣味で個人的なレッスンをしている。

私「だ~いじょ~ぶ」
大丈夫な精神状態ではなかったが、儀礼的にそう答えた。
待っていれば、母が迎えに来てくれると思っていたが、いつまで経ってもこない。
それどころか妹迄いないのでシブシブ真っ暗な世界を一人で歩いて、下に降りた。

下につくと妹は、携帯の明かりで母とブレーカーの操作をしていた。
私「点きそう?」
母「ダメみたいね・・・」
妹「停電?」
私は玄関に向かい扉を開けた。
町の明かりがない。向かいの家の中で懐中電灯の明かりだけが動いていた。
私「ここらへん全部停電みたい」
母「しょうがないわね、まぁみんなお風呂も入ったし今日は寝ましょう」


私は妹の部屋に戻った。
一応私の部屋は残っているが、一人が怖かったため一緒に寝てもらった。
あんなにかん高い悲鳴を上げときながら、妹はスヤスヤ寝ている。
落雷のせいか、私は寝れなかった。

睡眠と覚醒の間の、微妙な〔寝れない時間〕私はこれが大嫌いだ。
この時間、一年前から只の苦痛でしかない時間。
彼が浮気をしたことを自分から打ち明けたあの日からだ。


私の名前は、飯野絵里
彼とは私の在学していた美大の先輩後輩の関係だった。
私は彫刻科をとっていた。
彼はデザイン系を専攻していたが、旅行サークルでしりあった。
物腰が柔らかく、とても誠実な印象だった。
親睦を深めるにつれ、お互いの身の上や過去の恋愛等様々な事を話すうちに惹かれあった。
彼の過去の恋愛は壮絶だった。
正式に付き合うようになってからすぐ事件は起きた。

私は交通事故に遭った。
意識不明だった。
2日間寝ていたらしい。
幸い命は取り留めた。
しかし右手に麻痺が残った。
絶望した。
彫刻を作るにあたり利き腕の機能が損なわれた。
致命的だ。
自分で言うのもなんだが、回りから将来を期待されていた。
作品の評価も高かった。
しかし自分が思い描いた将来が突然消え去った。

でも彼は諦めなかった。
嫌がる私に無理やりリハビリをさせ、
退学することも許さなかった。
只厳しいだけではなく、日常で私が不便を感じぬよう、一緒に暮らしてくれた。

麻痺が残っている間、私は休学した。
その間に彼は卒業してインテリアのデザインの仕事に就いた。
在学中も、就職してからも、彼は私の為に尽くしてくれた。
絶対的な慈愛を受けていた。
父親を知らない私が言うのもなんだが、それは父親のような揺ぎ無い愛に感じた。
そして私は決心した。
私は妻になることを決めた。
プロポーズは私からした。
何故か私が指輪を買った。
なんだか悔しいがどういう訳かそうなった。

結婚生活は、幸せそのものだった。
彼は才能を発揮し、かなり自分の自由な完成で設計できるようになっていた。
彼は私の意見も聞いてくれて、私のアイデアを受け入れてくれる。
いつの間にか、彼の夢は私の夢になっていた。
私は彼の夢に乗った。

そんな彼が去年、自分の浮気を打ち明けた。
ショックだった。
彼は許してほしいと懇願した。
私は彼を許した。
許さない訳にはいかなかった。
今までの彼から受けた愛が、許さない事を許さなかった。

しかし、理屈で彼を許容しようとしても
心と体は今までのようにはならなかった。

彼の浮気が発覚してから、数ヵ月後。
彼が私を求めてきた。
頭では受け入れようとおもった。
でもダメだった。
涙が溢れた。
溢れた涙が止まらなかった。
涙が出たのはそれ以降ずっとだった。
いつの頃か、彼の一つ一つが許せなかった。

彼を愛しいと思う反面
それが完璧で無い事実。
完璧など無いのは判っていた。
しかし、その大きな綻びを現実に目の当たりにすると。
彼のその汚れた過ちが、過去にまで広がり全てが霞んでしまう。

彼に対する態度は徐々に冷たく、関係は儀礼化してきた。
彼はそんな私にも代わらぬ愛情で接してくれた。
彼は罪滅ぼしのつもりだったのか、
私の気持ちの変化に気付きながらもその愛情は耐えることがなかった。
私はそれが辛かった。
心と体が覚めても頭で彼を愛そうとしている自分が辛かった。
だから1ヶ月前に逃げ出した。

〔寝れない時間〕私の頭は心と体と喧嘩する。
私はこの時間が大嫌いだ。













2005年 8月26日
AM9:00


いつの間にか寝ていた。
部屋の蒸し暑さで目を覚ます。
妹はまだ寝ている。
エアコンは動いていない。
でも携帯の充電ランプはついていた。

母親が部屋に入ってくる。
母「ここの部屋はエアコン付く?」
絵里「ん~つかな~い」
母「やっぱりね~なんか昨日の落雷で家電がダメになった家が多いらしいのよ」
絵里「なにが壊れたの」
母「それをこれから調べるのよ」
私は妹を起こし、家中の家電を調べた。

エアコンは全滅。炊飯器とテレビと冷蔵庫が壊れていた。
母と電気屋に行った。

私の運転で町の量販店に行った。
物凄い混雑だった、恐らくみな昨日の落雷でやられたのだろう。
冷房のコーナーに行くと一際混雑している。
私はここで、扇風機を買った。
最後の扇風機をゲットできた。

炊飯器と冷蔵庫を持って帰り、エアコンとTVは早くても1週間後
らしい。お金持ちの母は全て即決で買っていた。
実に頼もしい。

家に着き、炊飯器が無い為外食をした。
妹は、彼氏とデートだといって外食をキャンセルした。

家に戻り妹の部屋のPCを点ける。
立ちが上がりネットを開く・・・・
もう一度クリック・・・・・
確認の為にクリック・・・・
繋がらない。
色々見てたら、モデムが落雷でやられていた。
流石にこれは見落とした。

ブログの更新が出来ないのは辛い。
心がドロドロに汚れてきても、
ブログの記事を書くことで、
本来のポジティブな自分を取り戻せた。

携帯での更新を試みてみた。
部屋の蒸し暑さもありイライラしてきた。
1つの文章を作成するのに非常に時間がかかる。

絵里「あぁぁぁぁあぁ!!!!」
私は携帯をベットに放り投げ、車の鍵と財布
を持ってコンビニへ出かけた。

コンビ二に着くとエアコンは動いてなかった。
アイス・ジュース・プリン・・・・・
全滅だ。
絵里「使えないコンビだわ!」
と小声でいう。
コンビニを出ると、この近くに自分の母校があるのを思い出した。

絵里(何年前だろ?まだあるのかな?)
無性に気になり、車を置いて母校の小学校に向かう。

直ぐにたどり着いた。
学校の裏門の前に来ると、校舎の色や体育館等が変わっていて、何よりプールの位置が変わっていた。
絵里(なんかプール新しいな~ずるいな~)
私は気になってしょうがない。
新しいプールが見たくて仕方がなかった。
一応周りを見渡して、学校に進入した。

学校の中は静まり返っていた。
バスケットボールのゴールの低さ。中途半端なサイズのボール全てが懐かしかった。
プールにまっすぐ向かう。
全然超えられそうなフェンスだった。

私はフェンスをあっさり登った。
絵里「以外とまだまだ動けるものね~。29歳舐めるなよ」
私は良く独り言を言う。

プールは想像以上に綺麗だった。
月明かりしない状態で水面は少々不気味さはを感じるが、
この暗がりがロマンチックとさえ感じた。

プールサイドでサンダルを脱ぐ。
腰を下ろし足をプールにつけてみた。
絵里「ああ~んきもち~♪」
思わず声が出た。
足を水面でバタつかせながら、一人でキャッキャ言っているわたし。
絵里(どうせ誰もいなし入っちゃおうかな)
そう思ったらもう止まらなかった。
一応周囲を見渡して、勢いよく服を脱ぎ散らかした。
もう我慢できない。
絵里「とう!」
私は勢いよく、躊躇など全く無くダイブした。
派手な水しぶきが起こった。

絵里「あ~なんか久しぶりに泳ぐな~」
私は凄く上機嫌だ。

何分泳いだか解らないが、少し疲れたのでプールから上がる。
目線をプール方に向けると、もう1つ小さめのプールがある。

絵里(ふふふ、制覇するわよ)
小さめのプールに向かう。

丁度脱ぎ散らかした服の辺りで異変に気付く。
なにかプールの中にある。
絵里(ゴミかしら?)
それは少し動いた。
私は怖気づいた。
女性「え?・・・・え??え?え?」
絵里(違う!何かの頭だ)
女性「まさか河童?」
つい口に出た。ビビリながら目を凝らして近づく。
絵里(人?霊?いや幽霊だ!)
目線ギリギリ水面に出してじっとしてる。
絵里(人?!男?)
絵里「え!あなたなに~?!」
私は狼狽した。
その男はゆっくり顔を上げた。
男というより、まだ微妙に少年だ。
中性的な顔をして綺麗な顔をした少年だった。
目が合った。

続く
水の中で①  一哉Verを読む
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No title

続きっ!

早く続きを~~!!

気になるぅうぅぅっ!

あ。嫁さんの叱られない程度でねっ。

>>カラバシュ姐さん

コメントありんす。

一応、主人公二人なんで、同じ時系列の二人分の視点で書かなきゃいけないんで、結構時間かかりまんねん^^;


でも期待されて嬉しいです^^
ありがとうございます。

No title

なんか,人の行動や背景とか,凄い見える!

すごいやん!!ほんとに小説だ~!!

見直した!!では続きみるね!!

>>サユ

ほっほっほ時間と手間かけたからの~

設定はサクッと決めんたんだけど、色々矛盾点とか・・・
たいへんだった・・・

誤字や矛盾点いっぱいかもしれないけどねw

先生!

次回のしめきりは?
早いとこお願いします。

こういった身近な感じのする話に
弱いくてのめりこんでしまいます・・・

後生です、続きを・・・・

応援ポチ!!

>>サイドバックさん

期待してくれてありがとう、ございます^^

二つの視点で平行して書いているので、結構大変です。
週1・2回ずつ上げられればと思ってます。

しかしノリスケがきません。

イイですなぁ

普段俺あんまり小説とか読まないんです。

通勤の時も音楽聴いたりブログ打ったりしてるし。ネカフェではマンガしか読まないし。

でも久しぶりに読んじゃいました。やっぱ活字から脳内で想像する作業って楽しいもんですねw

また続きを楽しみにしてます。あ、でもムリしないでねw

アメブロからきました~♪

600人目のキリ番踏んでくれてありがとうございました♪
遊びに来ました☆

こっちのブログは凄いですね~
私のとは大違いです(^_^;)

>>jhoncosuさん

おはようございます^^
俺も小説よまないですね^^;

最後に読みきったのって、
(それいけずっこけ三人組?)
これは小説じゃないか・・・?
でもホント読まないです^^;

でも、そんな私が書いた、文章で脳内でイメージできてよかったです。
一安心w

>>ソラさん

いえいえ^^
ソラさんのブログ面白いとおもいますよ^^
だって今からでは、絶対経験できないないようですもんw
また遊びに行かしてもらいます。

No title

うーん、文才ありますねー。
思わずのめり込んでしまいましたよ。
この後二人がどうなるのか、楽しみです!!!!

あんまり期待して賛辞したら、満足して
やめちゃうそうなので(笑)ほどほどに
褒めておきますよ。

べ、別に天才だなんて思ってないんだからねッ

>>よしかげ君

コメントありがとうね^^

辞めないさ~w
ただ最後のオチまで短くなることはあるかも・・・・w

期待されるとうれしいです^^

今8分の2くらいかな?
いろいいろ難しいですね。起承転結って。

No title

こにゃらちわ♪
昨日、仕事の合間に外のPCから応援Pだけしに、寄ったんだけど、
後で読みにこようと思ってて、今やっとこれたよ~。

一哉Verの時に、あはーー変な女きたーー、あたしやりそー。あたしみたい!って思いながら、絵里Verに読み進んだら、えーー美大!えーーー彫刻科!えーーーー29才舐めんなよ!えーーーー!!!!
って、被りまくりーの、感情移入したって、んまぁ!大変です。
髪の毛逆立ってるもん!

なになになに?でもって一哉が中性的な綺麗顔!?

いいじゃないかーい!
設定ナイス!ブーだったら、書き直せといったところだ!

いい感じの結末を期待。ちゃっちー感じじゃなくて!

日曜日とはいわずにさー、明日!明日UPして!
まてないまてないまてないまてない
ぎゃーーーーーー

>>ひろぽ

まぁ気付くよね、そこまで被れば・・・・

でもパクリじゃないよ!
ぱくりじゃないってば~!!
パクリじゃないけど許してね(泣)

No title

こんばんはー
ぐってありがとうございました。
うーん女のさがですね。
もう一歩前に踏み出せたら‥

>>翼猫さん

コメントありがとうございます。

私は男なんで、女性目線というのが難しいです^^;

頑張って続きを書くのでまたきてください^^
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